広島市街からレンタカーを走らせ向かった先は、広島県の尾道(おのみち)。以前から憧れていた海際を見下ろす風景を眺めてみたかったのです。 真っ先に訪れたのが、千光寺(せんこうじ)公園の展望台。瀬戸内海の島々が見渡せました。 本当に島だらけ。島が波のように並んでいる感じ。いわゆる「しまなみ海道」が走る島々ですね。 天気はどんよりとした曇りでしたが、モノトーンの空と海と島々の風景に哀愁を感じました。 海を望む手前には、尾道市立美術館の建物が傾斜の流れの中にあってとても魅力的でした。 まだ、この頃(11月末)は紅葉が綺麗な時期でした。 これが千光寺公園の頂上展望台。 展望グリルレストランを備えた、なかなか素敵な展望台だなと思いました。 その近くには、金色のあけぼの像があって、恋人たちの聖地とされています ![]() 確かにロマンチックでしょう。 ただ私はここからの風景をじっくり見ることに集中していました。 よく見ると、何となくお城のような建物が ![]() これは、尾道城(おのみちじょう)と呼ばれる昭和39年(1964年)に博物館として建てられた建築物だとか。歴史的に存在したお城ではなく、今は廃墟になっているそうです ![]() 更に、もう少し左の方を見下ろすと、すぐ下に尾道水道があります。 対岸の向島(むかいしま)との間は200mほど。狭い海峡であることが分かります。 尾道は、この海峡沿いの港町として発展してきたのですね。 遠く向島の先にも、うっすらと浮かぶ島が点在しています。 こんな風景を見て、昔から多くの人達が情感を高めたのではないでしょうか。 尾道は、数々の文人墨客が訪れてその作品の中に描いてきた場所。 頂上からの坂道の一つが、文学のこみちとして整備されています。 尾道を描いた文人たちの文学碑が坂道の両側に並んでいます。 例えば、 正岡子規(まさおか しき)の句碑。 こちらは、十返舎一九(じっぺんしゃ いっく)。 『東海道中膝栗毛』で有名ですが、山陽道についても描いていたのですね。 文学のこみちを下っていくと、こんなユーモラスな松の枝があって、思わず注目してしまいました。 今にも動き出しそうな動物のようでした ![]() 更に進んで、志賀直哉の石碑。『暗夜行路』の一文が刻まれています。 『暗夜行路』にも、尾道が登場するのですね。 こちらは、林芙美子(はやし ふみこ)の『放浪記』の石碑です。 その他にも尾道を表現した一文が刻まれた数々の大きな石碑が並ぶ様子がなかなか魅力的でした。 そうやって、坂道を下っていくとすぐ近くをロープウェイが行き来している様子に出会います。 千光寺山ロープウェイです。 このロープウェイから眺める景色も圧巻でしょう。 私たちは、このロープウェイのある風景を眺めてました。 そして、いよいよ尾道のシンボルの一つでもある千光寺(せんこうじ)に到着です。 山の中腹にある境内はかなり狭いですが、そこからの風景はまた格別です。 創建は、大同元年(806年)と言いますから、平安時代の初め。 本堂は、江戸時代前半の貞享3年(1686年)の建立だそうです。 よくぞ、こんな高台にお堂を建築したのものだと思います ![]() また、所狭しと並ぶ巨石や古い木々が独特の景観を作っています。 下界を離れた神秘的な雰囲気が漂う信仰の地であったことを感じます。 中央の巨石は、玉の岩(たまのいわ)。伝説の岩です。 今でも、てっぺんに玉が置かれその存在感を放っています ![]() こちらは、くさり山。 熊野権現(くまのごんげん)の使い、烏天狗(からすてんぐ)の姿が岩に彫られています。 更に、少し境内から離れた坂道に、尾道水道を望む巨石、鼓岩(つつみいわ)が付き出しています。 別名「ポンポン岩」と呼ばれるこの岩も歴史的な逸話をもつ岩です。 映画のロケ地にも、絵画の題材にもなっているそうです ![]() そのすぐ近くには、江戸時代後期の儒学者であり思想家の頼山陽(らいさんよう)の詩を刻んだ石碑が。 その左隣の巨石を割って松の根が伸びています。これが、岩割松(いわわりのまつ)といいます。 こんなふうに、ちょっと不思議で畏敬の念を抱かせてくれる事物が数々あります。 昔から抜群の眺望とこんな浮世離れした雰囲気に、心動かされるものがあったのでしょう。 千光寺から少し坂道を降りたところにあるのが、天寧寺海雲塔(てんねいじかいうんとう)です。 室町幕府2代将軍の足利義詮(よしあきら)が貞治6年(1367年)に建立したと伝わります。 この三重塔を見下ろす景観も、尾道を代表するものですね。画家の平山郁夫(ひらやま いくお)もこちらの風景を描いています。 確かに味があるなと思います。まさに、傾斜の魅力だと思います。 それと、千光寺方面へ登る坂道。 数々の傾斜と坂道、その脇に建つ多くのお寺や古民家が絵になるのですね〜。 今回、私達は時間があまりなくて尾道の散策はこれくらいにして、千光寺公園の駐車場へ戻りました。 最後に、尾道に来たならちょっと外せないものを簡単にご紹介します。 それは、傾斜ではなく海沿いの平地にあるのです。それも一つではなく複数。 尾道ラーメンです ![]() 幾つかの超人気店には、もの凄い人の列。私たちは普通の店(?)、雑兵(ぞうひょう)へ入りました。 並ばずにちょうど入れました。 個人的には、十分美味しかったです ![]() 尾道ラーメンのお店が多いエリアから、千光寺山を見上げるとこんな感じ。 先ほどまでいた千光寺の境内と巨石の威容を見上げて確認してから、尾道を後にしました。 秋の「広島から愛媛の旅」のレポートは、以下をどうぞ。 1. 「広島原爆ドームの風景、朝昼晩」 ⇒ こちら 2. 「広島平和記念資料館のオバマ大統領の折り鶴」 ⇒ こちら 3. 「広島城を眺めて、広島城から眺めて」⇒ こちら 4. 「厳島神社の大鳥居、朝日と夕日」⇒ こちら 5. 「宮島の紅葉谷公園と弥山」 ⇒ こちら 6. 「宮島の豊国神社、五重塔、表参道商店街」 ⇒ こちら 7. 「尾道、千光寺公園からの眺め」 ⇒ こちら 8. 「しまなみ海道、村上水軍博物館、亀老山展望公園」 ⇒ こちら 9. 「今治城と今治タオル本店」 ⇒ こちら 10. 「道後温泉本館を一回りして」 ⇒ こちら 11. 「道後公園、湯築城跡、湯神社、伊佐爾波神社」 ⇒ こちら 12. 「松山城の現存天守からの眺め」 ⇒ こちら 13. 「松山の萬翠荘の外装と内装」 ⇒ こちら 14. 「予讃線 下灘駅の夕日とコスモスの風景」 ⇒ こちら 15. 「肱川沿いの大洲城と臥龍山荘の風情」 ⇒ こちら 16. 「宇和島城と宇和島港を眺めて」 ⇒ こちら Onomichi, Hiroshima, Japan |
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タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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瀬戸内しまなみ海道、村上水軍博物館と亀老山展望公園からの眺め
広島県の尾道(おのみち)を離れてレンタカーを走らせたのは、この新尾道大橋から始まる高速道路でした。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/01/29 17:18 |
宮島をもう少し歩きました(豊国神社、五重塔、表参道商店街など)
広島県の宮島(みやじま)って、本当に見どころがいっぱいですね。厳島神社に参拝したり、紅葉谷公園でモミジ狩りをしたり、弥山(みせん)に登ったり。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:13 |
美しすぎる宮島、厳島神社の大鳥居と社殿、朝日と夕日
朝日を浴びて朱色が輝く大鳥居(おおとりい)、まさにまばゆい位の美しさでした{%キラキラwebry%}。そこに人々が集まるのは必然です。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:16 |
宮島は紅葉谷公園や弥山も美しい!
宮島の美しい大鳥居を見た後は、厳島神社(いつくしまじんじゃ)の裏手の道を進みました。やや上り坂。しばらく歩くと、宮島きっての老舗旅館、「みやじまの宿 岩惣(いわそう)」の本館の和風建築が現れます。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:21 |
広島の原爆ドームの風景、昼と夜と朝と
この骨組みしか残っていないドームの屋根。子供心にも、とっても痛々しく可哀そうで印象的だったのを思い出します。 だいぶ大人になって、ようやく間近に見ることができました。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:22 |
広島の折り鶴のメッセージ(平和記念資料館、平和記念公園、原爆の子の像
新年明けましておめでとうございます{%門松webry%}。今年最初の写真は、このオレンジ色の折り鶴から始めたいと思います。 ガラスケースの中に展示されています。おめでたいというよりは、特別な折り鶴と言った方がいいでしょう。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:24 |
広島城を眺めて、広島城から眺めて
広島のあるホテルの一室。窓から、広島城の内堀と本丸・二の丸の城郭がきれいに見渡せます。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:26 |
傾斜の風景が魅力の尾道、坂道を下って
広島市街からレンタカーを走らせ向かった先は、広島県の尾道(おのみち)。以前から憧れていた海際を見下ろす風景を眺めてみたかったのです。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:27 |
今治城を見て、今治タオル本店で買って
しまなみ海道を渡り終え四国へ上陸{%車webry%}。最初に到着する町が今治(いまばり)です。そこで、まず最初に向かったのは今治城でした。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:29 |
道後温泉本館を一回りしてあちらこちらから眺めて
重厚な和風建築の入口頭上にかかる扁額(へんがく)。ここは日本人にとって憧れの存在のような気がします。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:31 |
道後温泉周辺の散策(湯神社、伊佐爾波神社、道後公園、湯築城跡など)
この可愛くてお洒落な洋風建築は、道後温泉駅。松山市内電車の終着駅です。 道後温泉の玄関口ともいえる存在ですね。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:32 |
松山城の石垣、本物の大天守、その眺望に魅せられて
愛媛県松山市の道後温泉や道後公園から見えた松山城。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:33 |
松山の萬翠荘、旧大名家当主のフランス愛を感じて
愛媛県の松山城がある山の麓付近に、緑に囲まれた洋館があります。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:34 |
夢のような夕暮れ時の風景、下灘駅とコスモス
夕暮れ時、海沿いの無人駅に一両の電車が停車して乗客が降りてきました。なぜかホームにはコスモスが咲き乱れ、全体が夕日に照らされていました。 まるで夢の中のような風景。美しくて現実離れした光景のように感じました。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:35 |
川のほとりの美しい大洲城と風情ある臥龍山荘
愛媛県西部を流れる一級河川の肱川(ひじかわ)が、大きく広がって曲線を描いています。 橋の上から眺めた風景はとても気持のいいものでした。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:37 |
宇和島城と宇和島港を眺めて
愛媛県の松山自動車道を南下して、はるばるやってきたのはこの港でした{%車webry%}。島々と山に囲まれた複雑な地形で、古くから天然の良港だったそうです。 ...続きを見る |
「歴史の旅&外出」の記録 2017/04/01 00:38 |
内 容 | ニックネーム/日時 |
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こんばんは。 |
HT 2017/01/22 20:44 |
こんばんは。 |
トトパパ 2017/01/22 21:44 |
こんばんは〜。 |
cafe 2017/01/22 21:46 |
こんばんは! |
eko 2017/01/22 22:52 |
尾道城ってあったんですね。 |
家ニスタ 2017/01/23 00:13 |
こんにちは! |
うふふ 2017/01/23 13:06 |
尾道、いいですね。 |
koji 2017/01/23 19:17 |
瀬戸内海、穏やかそうな海に島がいっぱいですね。 |
はるる 2017/01/23 19:37 |
瀬戸内の多島美の風景は、穏やかでいいものですね。 |
コマダム 2017/01/23 20:26 |
こんにちは |
無門 2017/01/23 20:54 |
尾道・・・行ったことはないのですが |
ゆう 2017/01/23 21:07 |
尾道、映画の舞台でもあって素敵な場所ですね。ロープーウエイを使って千光寺、見ごたえがありそうです。尾道ラーメンも美味しそう^^観光地に行ってその土地の美味しいものを外さないのはさすがですね^^ |
かるきち 2017/01/23 21:17 |
こんばんは。 |
tami 2017/01/23 21:37 |
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ミクミティ 2017/01/23 21:55 |
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ミクミティ 2017/01/23 21:59 |
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ミクミティ 2017/01/23 22:03 |
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ミクミティ 2017/01/23 22:08 |
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ミクミティ 2017/01/23 22:12 |
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ミクミティ 2017/01/23 22:18 |
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ミクミティ 2017/01/23 22:21 |
尾道というと坂の街。 |
yasuhiko 2017/01/23 22:22 |
尾道といえば歴史と文化の町…行った事が無いので実感が湧きませんでしたが本当に素晴らしいところですね。 |
みなみ 2017/01/24 10:43 |
こんばんは。 |
みっちゃん 2017/01/24 21:48 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:08 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:17 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:22 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:26 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:29 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:34 |
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ミクミティ 2017/01/24 22:38 |
瀬戸内海のしまなみ海道の島々の素晴らしさ! |
みっきい 2017/01/25 18:09 |
こんばんは。 |
ハーモニー 2017/01/25 20:26 |
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ミクミティ 2017/01/25 21:46 |
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ミクミティ 2017/01/25 22:01 |
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ミクミティ 2017/01/25 22:10 |
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ミクミティ 2017/01/25 22:16 |
尾道ですか。 |
nobara 2017/01/25 23:10 |
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ミクミティ 2017/01/26 21:55 |
尾道の千光寺 何を隠そう 高校の修学旅行のはじまりです やたら階段上った記憶がある |
かきろん 2017/01/26 22:34 |
尾道、私も30代から40代にかけて、よく出かけました。思い出深いところです。文学碑が点在している坂道、記憶がありますが、鮮明には思い出せません。海が臨める眺望、その方の名前が出てきませんが、その住まいも印象に残っています。私は文学の心得はありませんが、若い頃は文学に憧れていたみたいです。 |
茜雲 2017/01/27 08:21 |
こんにちは。 |
テンプル 2017/01/27 15:26 |
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ミクミティ 2017/01/27 22:47 |
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ミクミティ 2017/01/27 22:51 |
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ミクミティ 2017/01/27 22:59 |
千光寺公園の展望台からの眺めがいいです。 |
アルクノ 2017/01/28 16:58 |
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ミクミティ 2017/01/28 18:16 |
こんばんは! |
komichi 2017/01/29 22:47 |
ミクミティさん(^^) |
詩音連音 2017/01/30 10:36 |
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ミクミティ 2017/01/30 22:10 |
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ミクミティ 2017/01/30 22:16 |
尾道に入ったこと無いのですが、大林監督の映画で坂の街ッと云うことは知ってます。 |
おーちゃん 2017/01/31 22:34 |
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ミクミティ 2017/02/01 22:17 |
こんにちは。 |
まりまり 2017/02/02 08:33 |
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ミクミティ 2017/02/03 23:15 |
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